先週水曜に搬入されたキョン11kg・オスは、TGC最大級のキョンでした。顔の毛はゴツゴツな、短期間ではできないような禿げ方をしていました。自然物に擦り付けたというよりは他個体と戦った跡のように見えました。手足の鬱血は罠に掛かり暴れてできたもので、捕獲されたキョンに多く見られます。
同日夜、皮利活用で依頼していたキョンの鞣し皮を見せてもらいました。大きな鞣し皮の身体の両端〜概ね腹部あたりに、先の尖ったもので突かれたような傷が多数ありました。おそらくオスの皮かと。イノシシの喧嘩キズは噛まれ抉られた傷です。先の尖ったもの〜キョンのオスの持つ角はまさにそれ。身体の傷跡の多さ=戦いの歴史なのでは!と妄想が膨らみました。今朝のゴツゴツに禿げたキョンの顔、戦いが刻まれたこの鞣し皮、野生動物の生涯の生きた証を手にしながら深く想った夜でした。
戦うキョン