先週の搬入は6頭でした。日中はまだ半袖ですが日もぐんぐん短くなり、夜は長袖がちょうどいい秋がようやく始まりました。

先週はイノシシ捕獲の連絡でその現場へ向かい、止めさしをして自らTGCへ搬入をするオス26kg個体がありました。狩猟体験・解体体験・講話など、多くの方に有害駆除の現実を知ってもらうための機会を設けていただいております。しかし百聞は一見にしかず、理想とする”現実”は、止めさしの現場から経験をしてもらいたいと考えています。

「イノシシは個性があるから、肉質もバラバラ。そこがデメリットでもあり、面白いところでもある」という話をよくします。生きているときからもです。この日の26kgは、捕獲されて終始怯えていました。ナイフで刺す際も鳴いていました。暮らしが分断されている世の中ではまず聞かない今際の際の甲高い鳴き声は、耳に残ります。解体をすると脂乗りも薄かったので、親元を離れて生きてなかなか食べていけなかったのかと想像しました。それでも、人里に下りて田畑を荒らせば有害獣です。

止めさしのコツは、愛着が湧く前に美味しくいただくことのみを念頭に殺してしまうこと。肉の原点である「命を奪う」のにも、個性があることを忘れないように百行は一果にしかず、です。

肉の原点

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